珈琲について
珈琲は面白い
というか不思議なもの
たった一杯の珈琲の為に
多くの人が魅力される骨董品
一番珈琲の魅力にとりつかれたのは
珈琲屋だろう
珈琲屋という職業は
感性と科学の混ざり合った世界にある
優秀な焙煎士は
触っただけで生豆の水分量までもわかる
いい豆かどうかなど触ればわかるのだ
そして焙煎は抽出の行程と同じかそれ以上
難しい技術がいる
1秒を争う世界
焙煎は焼き方で
味の表現が無限大だ
ただローストの浅い深いの問題ではない
最終的にどんな味に仕上げるか
そこから逆算して焙煎するのだ
排気と火力を調整し
自分の思うままに珈琲を焼き上げる
何百何千という焙煎を繰り返し
独自の焙煎ルールを作る
その膨大な数をこなしてこそ焙煎士
珈琲豆を変幻自在に操る
抽出は無限大の可能性がある
何で淹れるのか
水は何にするのか
何度で淹れるのか
無限大にあるチョイスの掛け算から
生み出される世界は
誰にも邪魔されない
珈琲と淹れ手のセッションだ
珈琲の甘さ、香り、苦味、酸味
そして後味の余韻とキレ
全てを意のまま操り淹れる
その人がどんな珈琲を望むのかは
日によって変わる
朝はアッサリキレのある
少しだけ苦い珈琲なのか
はたまた目の覚めるような
深煎りの珈琲なのか
淹れ手は
飲み手の快適で優雅な時間を提供する為に
技術を磨きつづける
それとは裏腹に
自分にとって美味しい珈琲とは何か
その課題をずっと探す旅をし続けるのだ
それが珈琲屋なのだと思う
もっとこんな味を出したい
その飽くなき探究心は
モチベーションにつながり
自分と珈琲のセッションは
いつまでも続くのだ
あくまで領域はエゴであるかもしれない
その最高の自己満足を感じる為に
一杯に想いを込め続ける
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