地震があって②
友人が迎えにきた
午後1時頃であっただろうか
ひとしきり荷物をまとめた
水は8リットルほど
16リットルのポリタンクはタイミング悪く
車の中だ。
着替えと余った食材、米、懐中電灯
それに寝袋を2つ持った
外は気温が高かった
快晴
車にぎゅうぎゅうに詰めた荷物
水が漏れないように気をつけて
足元に水を置いた
北区麻生から40分ほどかかる
羊ヶ丘展望台の近くの
イベント&リトリートハウス森の広場
ここを避難地とした
道中
信号はところどころついていなかった
信号を渡れない人々がいた
友人は
「譲ってやればいいのに」とぼやく
車内はさほど緊迫した空気ではなかったが
車の外はそれに対してやや緊迫した
異様な光景であった
創生川通りをまっすぐ
豊平川を通過し36号線へ
警察がところどころで交通整備をしていた
36号線を車で走ると
警察の格好をしていない人が
交通整備をしていた
昔、警察官でもしていたのか
ラフな格好で交通整備をしてる男2人は
凛々しく、カッコよかった
36号線から札幌ドームを右に曲がり
羊ヶ丘展望台を超えたローソンを左に曲がる
1本目の交差点をさらに左に
突き当たりを右にまっすぐ進む
森林研究センター?のようなものが左にある
そこを越えると川の声が聞こえる
閑静な住宅街。
森の広場に到着した
中にはもう人がいる気配がした
荷物を降ろしに扉を開けると
気を許した仲間たちがそこにいた
あー…よかった
仲間たちの顔を見て
安心がこみ上げてきた
中学生が1人
高校生が2人
僕らを入れて大人が7人
合計10名が集まった
午後2時を過ぎた
森の広場は水道、ガス共に使え
停電のみとなっていた
森の広場では手回し発電式のラジオがあり
ミニオンのようなフォルムのラジオから
地震の情報が随時流れていた
情報が錯誤して
SNSではたくさんの情報が流れていた
中にはデマなものもある
その時の時点では停電は
1週間続くと流れていた
1週間か…
東日本大地震と熊本地震の時と同じ地震構造
2日後に本震が来るから用心しろも
SNSでたくさんの拡散があった
本震がくれば震度7以上
1週間の停電生活と
本震への恐れ
先が見えないことへの不安感
僕は思った
今しか考えない
出来る準備はしよう
あとは今をどれだけ楽しめるか
僕はそんなことを森の広場のソファに座り
仲間たちと会えた安心感と
先の事を考える不安感とで葛藤していた
スティックのカフェオレを飲み
少し甘いものを食べた
そういえば
あれだけ揺れて家具は倒れたのだが
なぜだかコーヒーグッズは全て無事だった
ミルは真っ逆さまに落ちて
お尻を向けていたが割れてなかった
カップアンドソーサーも無事だった
ミル以外はケロッとした様な雰囲気で
いつも通りのポジションをキープしていた
その姿はなにやら勇敢で
安心して
と言わんばかりに僕に訴えてくる
生きててくれてありがとう
僕は心でそういった
子供たちの笑い声が聞こえる
今日から避難所生活が始まる
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